高校卒業後は大学の写真学科に進学しました。子どもを被写体にすることも多く、当時は母が勤めていた保育園に何度か撮影に行っていて、その楽しそうな雰囲気が当時からとても好きでした。
大学卒業後は、写真とはちがった分野で資格をとりたいという気持ちがあったことと、母から保育園の話をたびたび聞いていたこともきっかけとなり、保育士の資格がとれる短期大学に入り直すことを決めました。
新卒で入社した前職の法人は「原体験」を大切にし、動物飼育や田植えを活動に取り入れているところに共感して応募をしました。配属された先は事業所内保育所でしたが、委託元の企業との取り決めや制約があったものの、畑があり園庭も広く、恵まれた環境と感じていました。
当時の園では年間の園児数が50名から100名に変動が大きい年もあったりして、いま思い返すと目の前の対応だけで精一杯な部分もありながら、「とにかくやらなきゃ」というガムシャラな気持ちで乗り切っていましたね。保育士6年目の頃、入社してすぐに受け持った園児たちが卒園を迎えたことで気持ちに区切りがつき、転職を意識し始めました。
ラフ・クルー大泉保育園には会社ホームページの雰囲気から興味をもち、実際に見学した際に壁面制作がないこと、手づくりおもちゃが豊富な点など、園内の環境設定に惹かれました。
前職でも子どもの興味や発達に合わせたコーナー保育を積極的に学んでいましたが、現場の保育への取り入れ方に戸惑って迷走していたんです。自分が思い描いていたものを大泉保育園が目にみえる形で実践しているのを見られたことで、自身が成長できる場所かもと思えましたね。
実際、定期的に保育環境の打ち合わせが組まれ、年度途中でも子どもの興味や発達にあわせて環境設定を変えていけるところが楽しいと感じています。毎回職員みんなで意見を出し合うので、自分だけでは生まれない視点や気付きも得られますし、少し飽きっぽい自分にはとても合ってるなと感じています(笑)。
外部研修に参加できる機会も多く、イマの保育を学びながら、それをしっかり現場の保育にアウトプットできている実感があります。特に2歳児担任を受け持った年には1年を通して2歳児の発達や保育に特化した研修に参加し、研修での学び → 現場での実践を繰り返しできたことは、自分にとって実りのある経験になりました。
園内の環境設定を大幅にリニューアルした際、「自然物コーナー」を担当の先生たちと一緒につくり、虫の飼育ケースをいつでも観察できるように設置しました。
いまはカブトムシを幼虫から飼育していますが、みんなでお世話する中で、園児だけでなく虫が苦手な先生も触ってくれるようになったことはすごくうれしかったですね。
新卒のときから想いは一緒なので、子どもたちには「原体験」を豊富に体験してほしいと思っています。人工的なものがあふれる時代でも、自然や生き物に多く触れる中で私たちにとって心地よいこと、本当に必要なものをみんなで一緒に探求していきたいです。
そして、小さな楽しみに気付ける力も持っていってほしいです。何事も楽しむことができれば、この先で大変な時期があったとしても乗り越えていけると信じているんです。私自身も自然や生き物の魅力にワクワクする気持ちを大切に、日々の保育を通して「世界には楽しいことがいっぱいあるよ!」と子どもたちに伝えていきたいですね。