小さい頃は人見知りをする内気な子どもでした。幼稚園児の頃、担任の先生がそんな私にやわらかく配慮してくれる方で、その優しい雰囲気に憧れて保育の仕事に興味を持ちました。
幼稚園教諭を目指して短大に進みましたが、0・1歳児だけの乳児保育園へ実習に行ったことをきっかけに赤ちゃんの魅力にすっかり心奪われて、就職先は保育園に決めました。
新卒で入社した札幌の保育園では、1年目は非正規職員からのスタートでした。同期入社の中には正社員で受かった子もいて、競争意識もあり当初は悔しい気持ちで働いていましたね。
2年目には再試験を経て正社員登用され、そこから同じ保育園に10年勤めました。卒園児も3回送り出し、保育の仕事は一回やりきった!という気持ちがあり、一度切り替えて販売の仕事に転職。東京への転勤もありながら6年勤めましたが、もう一度自分の強みが活かせる仕事に戻ろうと、保育士に復帰しました。
保育士への復帰後、世田谷区の合同就職相談会で「らふ・くるーまむ」を知り、家庭的保育事業という運営形態に初めて出会いました。見学に行った先では自分が今までずっと理想としていたような、丁寧な保育が行なわれていました。
子ども5名に対し保育者2名という、余裕をもって見守れる体制なので子どもへの「否定」や「禁止」の言葉を使わない保育ができるんですよね。保育者の声掛けも穏やかで、正直カルチャーショックでした。この環境でなら、と施設長(家庭的保育支援者)にチャレンジできたのは自身のキャリアアップを視野に入れてもっと成長したいと思えたから。
今でも札幌の保育園で受け持っていた卒園児たちと交流があり、中には保育士を目指している子もいるんです。その子たちが安心して上京できるように、東京に素敵な保育園をつくって待っていてあげたいという気持ちも大きなモチベーションになっています。
施設長になって、保護者の方々に寄り添いたいという気持ちがより強くなりました。保護者の方々はこの園の保育を理解し、ご協力くださっていますが、それも現場の先生たちの一生懸命さが伝わっているからだと感じています。
保育者と保護者それぞれの想いが一つにならなければ良い保育園はつくれないので、管理者として精一杯寄り添っていきたいです。
また、らふ・くるーまむは1部屋(1クラス)5名と少人数なので、保育者にとっては子ども一人ひとりが興味のあること、「やりたい」と思う気持ちにとことん付き合える環境です。そしてその分、「やりたくない」気持ちを受け止めたり、「この活動は本当に子どもにとって楽しいかな?」と子ども目線を常に意識したりなど、保育について細かい部分まで考えさせられる場所でもあります。
責任も重く大変な仕事ですが、今の保育を大事に続けていけるよう、先生たちや保護者の方々が「困っている」と言いやすい雰囲気をつくり、心の負担を少しでも減らしていけるようにサポートしていきたいです。そして、自分の理想であるこのらふ・くるーまむの認知度を高めていきたいですし、家庭的保育事業の良さももっと広めていきたいですね。